ドローンにまつわるトピックをすっきり解説
目視外飛行ってそもそも何?
目視外飛行は、ドローンの活用範囲を大きく広げるために不可欠な飛行方法です。
文字通り、目視できる範囲を超えた空域で飛行させることを指しています。
航空法には以下のように定められています。
「無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない」
航空法132条の86第2項2号
「当該無人航空機及びその状況を目視により常時監視して飛行させること」
つまり、ドローンの操縦者は、自身の目で機体とその周囲の状況を常に確認しながら飛行させることが原則とされています。
ドローンの目視外飛行とは、操縦者自身の目によって常に機体を監視できない状態で飛行させること
目視外飛行って具体的にどういうこと?
ドローン本体だけでなく、その周囲に人や障害物がないかを常に自分の目で確認できる状態が「目視内飛行」とされています(国土交通省『無人航空機の飛行の安全に関する教則』(第4版・令和7年2月1日))。
それ以外の自分の目で直接見られない状況での飛行は、すべて「目視外飛行」となり、事前に国土交通大臣の承認が必要になります。
とはいえプロポの画面でバッテリー残量や高度、速度、GPSの受信状況などを一時的に確認する行為は、国土交通省の運用解釈上、目視内飛行の範囲内とされています。
以下のようなケースは、目視外飛行に該当すると考えられます。
- 双眼鏡を使って見る
- FPVゴーグルで操縦する
※FPVゴーグルとは、ドローンに搭載したカメラから送られてくる映像をリアルタイムで目の前のゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)に表示する装置のことです。
※普段使っているメガネやコンタクトレンズは、「肉眼」の一部と見なされるため、目視外飛行には該当しません。
- スマホや送信機のモニター画面に集中する
- 補助者が見ていると安心して操縦者が目視しない
※たとえ監視役の補助者がいても、あくまで操縦者自身が直接見て判断するのが原則です。
- 自動操縦(自律飛行)で機械に任せっきりにする
※プログラム通りに飛んでいても、予期せぬ事態に備えて必ず自分の目で監視し続ける必要があります。
- ドローンと視界のあいだに建物や木々などの障害物がある
- トンネルや橋の下をくぐらせる
- 遠くまで飛ばしすぎて、機体が点にしか見えない
- 霧、もや、低い雲の中での飛行
以下のような行為は目視外飛行とみなされます。
- 双眼鏡を使って見る
- FPVゴーグルで操縦する
- スマホや送信機のモニター画面に集中する
- 補助者が見ていると安心して操縦者が目視しない
- 自動操縦(自律飛行)で機械に任せっきりにする
- ドローンと視界のあいだに建物や木々などの障害物がある
- トンネルや橋の下をくぐらせる
- 遠くまで飛ばしすぎて、機体が点にしか見えない
- 霧、もや、低い雲の中での飛行
目視外飛行を行うには許可が必要?
原則として、ドローンの目視外飛行を実施するには、事前に国土交通大臣の許可(承認)を得る必要があります(航空法132条の86第3項)。
目視外飛行を含む一部の空域や方法での飛行は、航空法では「特定飛行」と指定されています。
特定飛行を行う場合は、原則として国土交通大臣の許可または承認を得る必要があります。
許可または承認を得ずに特定飛行を行った場合、航空法違反となり、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります(航空法157条の9第17項)。

「許可」という言葉を使いましたが、目視外飛行の場合は厳密には「承認」が必要とされています。法律上は「許可」と「承認」というふうに区別されていますが、実務上は同じものと考えて差し支えありません。
特定飛行については別の記事で解説していますので、よろしければそちらもお読みください。
目視外飛行を行うには原則として、航空法に基づく許可(承認)を得る必要がある
目視外飛行が承認なしでできる場合もある?
特定飛行であっても例外として目視外飛行を含む一部の飛行が、許可または承認不要で可能なケースもあります。
①カテゴリーⅡB
②係留
- ①カテゴリーⅡB
- ②係留
- 「国家資格」と「民間資格」の違いとは?
- 国家資格は「一等」と「二等」の2種類
- ① 目視外飛行の機体の追加基準
- ②目視外飛行の操縦者の追加基準
- ③目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- ④目視外飛行のその他の追加基準
- ①補助者なし目視外飛行の機体の追加基準
- ②補助者なし目視外飛行の操縦者の追加基準
- ③補助者なし目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- ⭐️補助者なしかつ立入管理措置なしで「道路・鉄道・船舶航路の一時的な横断」を含む目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- ⭐️補助者なしかつ立入管理措置なしで「道路・鉄道・船舶航路の一時的な横断」を含まない目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- 個別申請
- 包括申請
- 目視外飛行では包括申請ができない場合もある
①カテゴリーⅡB
下の図は国土交通省が公開している特定飛行についての資料の一部です。
ドローンの飛行はそのリスクの高さによって3つのカテゴリーに分類されています。
右端の青い枠はカテゴリーⅡBと呼ばれ、許可または承認が不要な飛行とされています。

ざっくりと言えば①国家資格=一等もしくは二等無人航空機操縦士を取得し、②機体認証を受けた機体を使用し、③国が規定する安全確保のための措置を実施する場合、目視外飛行を含む一部の飛行で許可または承認が不要となります。
ただし、目視外飛行を行うには、基本の資格に加え、目視外飛行の限定解除を受ける必要があります。
国が規定する安全確保のための措置については別の記事で解説しますので、よろしければそちらもお読みください。
⭐️航空法に基づく許可または承認不要で飛行可能ではありますが、カテゴリーⅡが特定飛行であることに変わりありません。そのため飛行計画の通報および飛行日誌の作成の義務は変わらず存在します 。この点は誤解されやすいため、特に注意が必要です。
②係留
強度のある紐などでドローンを繋ぎ止めることで一定の範囲のみで飛行させる場合は、以下の空域や方法において航空法に基づく許可または承認が不要となります(国土交通省『無人航空機に係る規制の運用における解釈について』)。
- 人口集中地区上空における飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 第三者から 30m 以内の飛行
- 物件投下
ただし、車やバイクなどへの固定は係留とは認められていませんので注意が必要です。
⭐️「係留+人口集中地区+立入管理措置+周知」の4要件を満たした飛行は、特定飛行に該当しません(航空法132条の85第4項)。そのため飛行計画の通報や飛行日誌の作成は義務ではありませんが、どちらも安全な飛行のために行うことが推奨されています。
以下の場合は航空法に基づく許可または承認なしに飛行させることができます。
- カテゴリーⅡB
- 係留して飛行させる
目視外飛行には資格が必要?
結論から言えば目視外飛行には必ずしも資格は必要ありません。
しかしながら先述のとおり資格があると承認が不要になったり、審査の手続きが一部免除されるメリットがあります。
ドローンの資格には大きく分けて「国家資格」と「民間資格」の2種類がありますので、それぞれ見ていきます。
「国家資格」と「民間資格」の違いとは?
一番の違いは「法的な効力」があるかどうかです。
国家資格
国が認めた資格で、法律上の効力があります。
持っていることで、特定の条件下での飛行許可または承認が不要になったり、申請手続きの一部が免除されたりします。
民間資格
ドローンスクールなどが発行する資格で、法的な効力はありません。
ただし、操縦技術や知識を証明するものにはなります。
国家資格は「一等」と「二等」の2種類
国家資格は、レベルに応じて「一等」と「二等」に分かれています。それぞれで可能になる飛行のレベルが大きく異なります。
一等無人航空機操縦士
最大の特徴は、街中など人がいる地域の上空でドローンが見えなくなる距離まで飛ばす目視外飛行、いわゆるレベル4飛行が可能になる点です。
レベル4飛行は、物流やインフラ点検などドローンの活用の幅を大きく広げるものとして期待されています。
レベル4飛行を行うには、一等無人航空機操縦士の資格に加えて、「第一種機体認証」という国の認証を受けた機体を用意する必要があります。
その上で、最終的には国土交通大臣の許可・承認を得る必要があります。
つまり、一等無人航空機操縦士はレベル4飛行を行うための「必須条件」といえます。
二等無人航空機操縦士
二等無人航空機操縦士の資格と第二種機体認証があれば一部の特定飛行については、許可または承認が不要になります。
また二等無人航空機操縦士の資格がなければ飛行させることができない空域や飛行方法というものもありません。
- 目視外飛行を行うのに必ずしも資格は必要ない
- 資格には国家資格と民間資格があり、国家資格は「一等」と「二等」の二種類がある
- レベル4飛行=立入管理措置なしで目視外飛行させるには「一等無人航空機操縦士」の資格が必須
- レベル3飛行=立入管理措置ありで目視外飛行させるには、資格は必ずしも必要ない
目視外飛行の承認取得の条件は?
目視外飛行に限らず特定飛行を行うには国土交通省の定める審査基準を満たす必要があります。
審査は航空法および国土交通省が定める審査要領に基づいて行われます。
審査基準は以下の2つに分類されます。
①すべての特定飛行に共通する基準
②飛行条件に応じて課せられる追加基準
本記事では②飛行条件に応じて課せられる追加基準について解説します。
①すべての特定飛行に共通する基準については別記事で解説していますので、よろしければそちらもお読みください。
目視外飛行を行うための追加基準とは?
目視外飛行を行うためには①すべての特定飛行に共通する基準を満たし、さらに②飛行条件に応じて課せられる追加基準を満たす必要があります。
目視外飛行を行うための追加基準は以下に分類されます。
①機体
②操縦者
③安全確保体制
④その他
順に解説します。
① 目視外飛行の機体の追加基準
機体は以下の基準を満たす必要があります。
- 自動操縦システムと、機外の様子を確認できるカメラを有していること
- 地上から機体の位置や異常を把握できること
- 電波ロスト時の自動帰還など、フェールセーフ機能が正常に作動すること
②目視外飛行の操縦者の追加基準
操縦者は以下の基準を満たす必要があります。
- モニターを見ながら、意図通りに飛行させ、安全に着陸させる能力を有していること
- 能力が不十分な場合は、第三者が立ち入らない管理された場所で目視外飛行の訓練を実施すること
③目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- 事前に障害物を確認し、安全な飛行経路を特定すること
- 飛行状況を監視し、操縦者に助言する補助者を配置すること
④目視外飛行のその他の追加基準
- 他の航空機の状況を常に確認できない場合、飛行の1開庁日前までに、飛行計画を管轄の地方航空局へ通知する体制を整えること
- 日時及び経路を確定させて申請し承認を取得した場合には、申請内容に応じて航空情報を発行することとするため、飛行を行わなくなった場合には、速やかに 管轄地方航空局長に対し、その旨通知すること
目視外飛行を行うには、通常の基準に加えて以下の追加基準を満たす必要があります。
- 機体:自動操縦システム、カメラ、地上からの監視機能、フェールセーフ機能などの搭載
- 操縦者:モニターを見ながら正確かつ安全に遠隔操縦できる技能の習得
- 安全体制:飛行経路の事前確認と、飛行を監視・助言する補助者の配置
- その他:必要に応じて、事前に管轄の航空局へ飛行計画を通知・連絡する体制を整える
補助者なしで目視外飛行はできる?
目視外飛行の追加基準に「飛行状況を監視し、操縦者に助言する補助者を配置すること」という項目がありますが、審査要領には補助者を配置せずに目視外飛行を実施するための追加基準も定められています。
補助者なしで目視外飛行を行うための追加基準は、以下の3つに分類されます。
①機体
②操縦者
③安全確保体制
順に解説します。
①補助者なし目視外飛行の機体の追加基準
- 航空機から見えやすいように灯火や目立つ塗装を施すこと
- 地上設備で他の航空機等を監視できること
- 第三者に危害を加えない安全機能があること(立入管理区画の設定で例外あり)
- 地上で機体の姿勢、速度、周辺の気象などを把握できること
- 地上において、計画上の飛行経路と飛行中の機体の位置の差を把握できること
- 初期故障の期間を超えた十分な飛行実績があること
初期故障期間については以下のように説明されています

②補助者なし目視外飛行の操縦者の追加基準
- 遠隔での異常事態の把握や状況判断について、10時間以上の訓練を受けていること
③補助者なし目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- 飛行経路は第三者がいる可能性の低い場所に設定すること
- 空港等周辺・緊急用務空域・地表もしくは水面から150m以上上空で補助者なし目視外飛行を行う場合は、山間部の谷間など、航空機との衝突の可能性が極めて低い場所や日時を選ぶこと
- 飛行高度、頻度、時間などに応じて、必要な安全対策を講じること
- 不測の事態に備え、緊急時の手順や着陸場所を事前に定めておくこと
- 第三者の立ち入り防止対策を行うこと
- 機体の落下範囲を考慮し、立入管理区画を設定すること
- 立入管理区画への第三者の立入りを防ぐために関係機関への飛行予定の周知や、インターネットでの情報公開を行うなどの対策を行うこと
- 第三者の立ち入り有無を常に検知できること
- 航空機の確認について以下の基準を満たすこと
- 飛行前に周辺の航空機運航者(救急医療ヘリ、警察、消防等)に飛行予定を周知し、安全に影響する場合は連絡を依頼すること
- 航空機の安全に影響する場合は、飛行中止または計画変更などの安全措置を講じること
- 飛行計画(経路図・日時・高度・連絡先など)をインターネットで公表すること
⭐️補助者なしかつ立入管理措置なしで「道路・鉄道・船舶航路の一時的な横断」を含む目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- 保険に加入していること
- 技能証明を保有していて、目視外飛行の限定解除をうけていること
- 機体のカメラで第三者の立ち入りのないことを確認できること
- 道路、鉄道及び船舶航路への墜落を避けるための緊急着陸地点の選定等、運航上の安全対策を設けていること
⭐️補助者なしかつ立入管理措置なしで「道路・鉄道・船舶航路の一時的な横断」を含まない目視外飛行の安全確保体制の追加基準
- 機体のカメラで第三者の立ち入りのないことを確認できること。
補助者なしの目視外飛行は、以下の3点を満たせば可能です。
- 機体: 安全機能・監視装置などを備え、十分な飛行実績があること
- 操縦者: 10時間以上の訓練を修了していること
- 安全体制: 立入管理区画の設定や飛行計画の公表など、厳格な安全対策を行うこと
補助者なしかつ立入管理措置なしの目視外飛行は、以下の条件を満たせば可能です。
- 保険に加入していること
- 技能証明を保有していて、目視外飛行の限定解除をうけていること
- 機体のカメラで第三者の立ち入りのないことを確認できること
- 道路、鉄道及び船舶航路への墜落を避けるための緊急着陸地点の選定等、運航上の安全対策を設けていること
目視外飛行の承認申請はどのようにすればいい?
先述のとおり、ドローンを目視外で飛行させる場合は、航空法上の「特定飛行」に該当するため、必ず国土交通大臣の承認が必要です。
申請はDIPSというシステムを使用して、オンラインで行うことができます。
申請方法には 「個別申請」と「包括申請」 の2種類があります。
個別申請
特定の日時・場所・飛行内容に限定して申請する方式です。
趣味やレジャーでの飛行は原則として個別申請しかできません。
イベント撮影や旅行先での一度きりの飛行など、スポット的に飛ばしたい場合に利用します。
包括申請
複数の場所や長期間にわたる飛行をまとめて申請できる方式で、最長1年間有効です。
ビジネス用途で継続的にドローンを使用する場合、その都度許可や承認を得る必要がないため、包括申請が広く利用されています。
目視外飛行では包括申請ができない場合もある
ただし、飛行させる空域や方法によっては、包括申請が認められず、個別申請が必須となるケースがあります。
目視外飛行は原則として包括申請可能とされていますが、以下の場合は包括申請をすることができません。
①夜間飛行かつ目視外飛行
②補助者を配置しない目視外飛行
目視外飛行のほかにも包括申請できないケースについては、別の記事で解説しますので、よろしければそちらもお読みください。
- 申請はDIPSというオンラインシステムで行う
- 申請方法には「個別申請」と「包括申請」の2種類がある
- 包括申請できないケースもある
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今後もドローンに関する記事をあげてまいりますので、よろしければほかの記事もお読みください。
なにか目視外飛行についてわからないこと、目視外飛行以外でもドローンについて知りたいことなどご要望があればできるかぎり解説いたしますので、コメントでお知らせください。
お読みいただきありがとうございました。

コメント